会社法のポイント

 平成18年5月1日から新しい会社法が施行されました。これによって株式会社を設立する為のハードルが低くなりました。
この機会に個人事業主の方等は「株式会社を設立しよう!」とお考えになられているかと思います。
とは言うものの、その手続に書類作成をひとづつ行い、最低限の知識を身につけていくことが必要なことは言うまでもありません。
ここでは、新会社法において重要になる主なものをご紹介いたします。

会社法のポイント

1:株式会社の最低資本金規制(1000万円)の撤廃

資本金1円の会社を設立できる。

設立定款に記載する「設立に際して出資される財産の価額」には下限の制限がない(会社法27条4号)

以前は、有限責任である法人であるので債権者保護の為、一定額以上の資金を留保させるようにしておりました。
(株式会社の場合1000万円、有限会社の場合300万円以上の資本金)これが撤廃となり、資本金が1円でも設立することが可能となりました。

2:利益配当は「剰余金の配当」(会社法453条以下)と名称変更になりました

剰余金の配当は株主総会決議でいつでもできる(会社法454条@)

・取締役会設置会社の金銭配当は、年1回に限り、取締役会議でも可能(会社法454条D)
・会社の純資産額(総資産額−総負債額)が300万円未満の場合の剰余金の分配は禁止(会社法458条)

3:取締役1人から株式会社が設立可能!!

株式譲渡制限会社は取締役は一人から設立ができます。(会社法326条@)
これにより、これまで必要だった取締役会や監査役の設置は任意(会社法329条A)になりました。

4:類似商号規制が大幅に簡素化!

従来は、同一市町村内で、同一又は類似の商号を同じ営業の為には登記できませんでした。このために類似商号・会社の目的の審査に時間がかかって いましたが大幅に緩和されました。

・同一の所在地における同一商号の登記の禁止(新商業登記法27条)


【注意!!】ただし、可能と適法の話は別になります!!
  • ■何人も不正の目的をもって、他の会社であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない(会社法8条1項)
  • ■前項の規定に違反する名称または商号に使用によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある会社は、その営業上の利益を侵害する者、または 侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止または予防を請求することができる。(会社法8条2項)

上記の件は、「不正競争防止法」の規定においても、他人の商号と同一あたは類似の商号を使用して他人の営業と混同を生じさせる行為は不正競争(同2条) であるとされ、これに対しては商号差止請求(同3条)と損害賠償請求(同4条)が認めれれていますのでご注意下さい。!!

5:株式会社設立手続が簡素化されました

一人会社(大会社の100%子会社等)や小規模会社(所有と経営が一致する)設立は、できるだけムダを省いてスピーディーに行えます。

・発起設立は、必ずしも銀行等の払込保管証明書を必要としない(会社法34条A)
・募集設立は、払込取扱金融機関の保管証明書が必要(会社法64条)


    【発起設立とは】
  • ■会社設立時に発行する株式全部を発起人のみで引受ける会社設立方法

  • 【募集設立とは】
  • ■会社設立時に発行する株式の一部を発起人が引受け、残り発行株式については発起人以外から募集する会社設立方法

募集設立は、設立当初より多くの資金を集められますが、設立発行株式の引受人募集や設立総会の会社などの会社設立手続が発起設立より複雑になります。
銀行等の払込保管証明書の発行が思いがけず時間がかかったりしますので、会社設立がスピーディーに行かない場合も考慮ください。

6:合同会社という組織形態の会社が作れる!!

合同会社(日本版LLC)
新会社法より導入された新しい組織形態です。原則、出資者と経営者が一致していて、有限責任にかかわらず機関設計や出資比率に関係なく利益 を配分できる等、総社員の同意に基づいて会社の定款変更や会社の意思決定ができるなど組織の運営が迅速で簡単であり、小規模企業に最適な会社組織です。

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電子定款認証とは・・・?

会社を作ろうと調べていくと、インターネットに「電子定款」と言う言葉が多く紹介されているサイト に出会うと思います。
普通、定款は紙で作成して、提出します。
これをデータ(PDFです)のまま、公証人に提出します。
この際に、紙に印刷したものなら「4万円」の印紙を貼らないといけないところ、その印紙が必要ないと言うメリットがあります。

これは、誰でも電子証明書(住民基本台帳カード)やカードリーダー、adobe acrobatその他電子証明添付のプラグインソフトがあれば可能です。
しかし、全部そろえると10万円ぐらいかかります。
このコストを考えるとちょっと・・・と思いますが、ご自分で電子定款認証する道もありますね。

また、主に設定に関して載っている以下のような本も出ています。
法務省オンライン申請システムを使った 電子定款作成マニュアル 株式会社設立が4万円安くなる!

そこで、この問題を解決できる存在が「行政書士」です。
最近では大体の行政書士がこの電子定款に対応しております。

電子定款のメリット(行政書士に依頼した場合)
・公証人に提出する、定款を電子で送信することにより印紙代4万円が不要。
(結果、法定設立費用が合同会社=10万→6万、株式=24.2万→20.2万になります。)
・その他、行政書士に依頼することにより面倒な書類作成や手続を依頼することができます。

当事務所でも、電子定款のみのサービスを行っております。
ご興味ございましたら、お問合わせ下さい。


会社を作るメリット・デメリット

まずは、会社を作る理由は何でしょうか?

  1. 個人事業ではじめた商売(ビジネス)が軌道にのりある程度利益が出てきた
  2. 共同で出資をする際に、出資比率を明確にしておきたい
  3. 許認可要件に法人である必要がある時
  4. 取引先との商売で法人である必要がある

等々以上のようなものが設立の目安になろうかと思います。
そこで次に株式会社設立のメリット・デメリットをご紹介します。
株式会社設立のメリット
  1. ビジネスの信用が高まります。
    会社の登記が行われ経営状況等が透明化されますのでお取引様からの信用度もアップ!
    個人事業にくらべて、取引上の信用も上がり、契約が結びやすいといえます。
    また、対外的な信用度が出ることにより金融機関から融資を受ける場合に会社名義の方が有利です。
  2. 経営者の責任が限られます
    いわゆる「有限責任」になります。
    個人事業でのビジネスは、借金などの債務を最後には自分で全て責任を負うことになりますが、
    株式会社では、原則、出資した金額のみの責任しか負いません。
  3. 節税になります!
    経費で認められるものが、個人事業より多く認めれます。
    例えば、社長の給料や従業員の退職金等です。
    その他、青色申告した場合の欠損金の繰越が7年間(個人事業では3年)になる税制上のメリットや
    法人税によるメリットも生じる場合があります。

株式会社設立のデメリット

株式会社の設立、商売、ビジネスにおいてメリットが多いのですが、 あえてデメリットをあげると以下のようになります。

  1. 設立の費用と労力がかかる・・・
    設立に関する、印紙代、定款認証代、登記費用、交通費、手間、、、これらを考えるとかなりかかることがわかってきます。 ここで、いっそ法人化は止めるという手もありますね。
  2. 定款自治による縛り 法人は、定款記載の事業目的の範囲のみでしか権利能力を持ちません。定款に無い記載事項を新たに設けるには定款を変更をする 必要があります。
  3. その他、会計処理の事務や法人住民税、決算広告の義務が生じる等があります。


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ジュウダ行政書士事務所
行政書士 十田 博

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